江戸・神田明神下生まれの私にとって、江戸前寿司は、特別な意味を持つ料理。
(とはいえ子供の頃は、そんなにたくさん食べさせては貰えませんでしたけどねw)
正直、…ってか単純に、
大っっっっ…好き!
です!w
今までいろいろな店に足を運びました。
職業柄、すごいと言われる名店にも、それなりの数連れて行って頂きました。
それでもこの店は、私にとってとても「大切」で、失いたくないNo.1の店のひとつでした。
鮨「喜八」。
湯島にあった、ちいさなお寿司屋さん。
ふらりとひとりで入り、そこから…間違いなく10年以上は通っていました。
そのお店が、この6月末で、閉店の運びになりました。
「6月中に、絶対2回は行く!」
と決めていたのに、スケジュールの都合で、足を運べたのは先々週の1日だけ。
その「名店」の最後のオガタゴハンを、ここに記そうと思います。
(私のヘボ写真でごめんなさい
いつもの1stドリンク、生すだちサワー。と、その日のお通しのヅケ。
ねっとりとしたヅケで口がまろみ、すだちで爽快に。
何品かの絶品な刺身
天然物の煮はまぐり。ふわふわで濃厚。
お酒はいつもの2ndドリンク、麒麟山・純米。
当たり前のようにきちんと温度管理されたこちらのこのお酒は、こちらのお鮨にベストマッチ。
(更に当たり前ですが、日本酒は、蔵本〜配送〜手元までの全工程での温度管理が命!)
そして、おまちかねの「おまかせ握り」のコースへ
酢飯と合わせて絶妙な酢加減のコハダ。
丁寧でギリギリの包丁を入れ、塩で頂くイカ。なめらか!
大変香ばしくて旨い炙りモノの後は、名物・閖上の赤貝。
東京では滅多に食べられません。
その味は濃厚で…震災の時にダメになったときいた時は残念でたまらなかったけど、フッカツされて本当に良かったと、心から思う味。後から肝焼きも出てきますがこれがまた…!
海苔で巻かなくてもカタチを成す、絶品のうに。
そしてこちらの大将が特許をとっているので、ここでしか食べられないせいろ蒸しのアナゴ。
最高にふわふわで、ツメでも塩でも幸せの極地…!
海老と赤身、トロへと繋がる最強の三連コンボ!
もはや何も言うこともなし。「絶品」です…
と、コースはここでオシマイ。
普段ならもう、しじみのお味噌汁を頼み、お茶を頼み…で〆なのですが、今日はどうしてももう少しイキたい。そんな思いで、精神のチカラで胃袋を開け(笑)、追加注文。
卵焼き2種。たいら貝を軽く炙り、梅を乗せたもの。
そして、亡父が愛した江戸っ子の好物・赤貝のひもとキュウリの巻物。
すべてが、最後まで、本当に美味しかった…!
満足し味噌汁をすすっていた時、近くのお客さんが「いくら」を注文。すると大将が、
「ないんです。本当にいいいくらだったんですが、大手企業にお金の力で根こそぎ持って行かれるようになってしまって。どうしてもそれに見合う品がみつけられなかった。すみません」
…ああ、と、思いました。
看板と店構えに惹かれ、ある日、ふらり、ひとりで立ち寄ったのが出会い。
大将と、奥様である女将さんのふたりだけで経営する、小さなお店。
そこは、自分にとって、長い間癒される、大事な場所になりました。
どんなに疲れていても、ひとくちですべてほぐれる気がしました。
カラダは勿論、何よりも「ココロ」がーーー
だから、仕事やプライベートで、時折心が折れそうになった時ほど、ここに来たくなった。
でも、泣くのはいやだったから、逆にそれらを少し越えた「自分へのご褒美」の時に良く来た。
でも、大将のお鮨は「がんばったね」と言ってくれているような気がしたから、逆に涙が出た。
歳を重ねるごとに、その感覚が強くなっていったのはーーー
私自身が仕事を続けていく中で、大将の「職人魂」に近くなっていったからかもしれません。
(大変おこがましいですが!)
お米の一粒一粒に拘り、食材のひとつひとつに拘り。
ご自身の足と情熱で集め、ご自身が仕込みからすべてをこなす。
食材に愛を、技術に誇りを持って臨みながら、けしてそれをお客に押しつけない。
「俺の鮨はどう? 最高だろ?」
という言葉がプレッシャーのように押し寄せてくる、お寿司屋さんにはよくある(すべての、ではないですよ勿論?)雰囲気は一切なく。
一見でも気軽に、ふらっと入れる店構えを保ちながら、最高の食材を用意。
とても人なつこい温かい笑顔で、最高の技術でそれをお客さんに提供する。
けして媚びずに、凛としながら、ひとつひとつの仕事を丁寧に成しながら。
その大将の姿は、いつも本当に美しかった。
それは、私自身が目指す「エンターテイナー」としての姿、そのものでした。
ご自身が決めたお店としての在り方。
その中で、ご自身の体調、ご家族のこと、そして、素材を大事にするがためのーーー
その中で、「退く決意」をされたこと。
イチ馴染み客として、本当に寂しい。惜しい。切ない。
でもイチエンターテイナーとして、とてもわかるし、ああ、と思う。
ホントはわかりたくないけど。…大将、わかりたくないよ。私。
だけど、痛いほどわかるから、、、
ご夫妻の手からうまれた「小宇宙」。そこからもらった「星のカケラ」。
それを胸に、もう少しだけ頑張ってみることで、「受け継がせて」もらいます。
これから始まる、お二人の新しい道が、幸せに満ちた素晴らしい時間でありますように。
長い間、ありがとうございました…!
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